甘サド天使のいうとおり2(那々伊)

甘サド天使のいうとおり2(那々伊)

甘サド天使のいうとおり2(那々伊)ネタバレ・あらすじ・感想

世界の海図にも載らない、ひっそりと語り継がれる楽園――そこは“天使の島”と呼ばれている。選ばれし者は祝福を受け、望む幸福を手にする。そんな言い伝えを、誰もが疑いなく信じていた。少年サナキも、そのひとり。本心を隠し、周囲の期待に応えることで「正しい人間」であろうと努めてきた彼は、天使に見初められるにふさわしい存在であることを、自らに課して生きている。しかし、幼い頃から彼を知るトノだけは気づいてしまう。最近のサナキがどこか不自然で、まるで別人のように変わり始めていることに。やがてサナキを選んだ天使は、祝福だけでなく、静かな問いを投げかける。彼の“正しさ”は本物なのか。それは信念か、それとも誰かに愛されるための仮面なのか。救済と試練が紙一重で交錯する島。甘美な安らぎと、逃れられない縛り。罰のような優しさと、優しさに似た依存。閉ざされた楽園で、少年は自分の奥底と向き合うことになる。これは、幸福を与えるはずの存在に揺さぶられながら、“正しくあること”の意味を問い直していく物語である。
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