囚われアリスは淫らな夢に溺れるか(朝凪りん)

夢の国で試される心と身体──少女アリスの帰還への旅「さあ、目を開けて。ここは、君だけの運命が始まる場所──」見知らぬ声に導かれ、少女アリスが目を覚ましたのは、現実とは異なる幻想世界──夢の国。そこは現実の理から外れた、美しくも不思議な試練の世界だった。元の世界に戻る唯一の方法は、「女王」に認められること。そのためにアリスは、謎めいた青年・ロウェルとともに、次々と課される試練に挑むことになる。だが、その試練には一筋縄ではいかない“深い意味”が込められていた。戸惑いと興奮、理性と本能のはざまで揺れ動くアリス。心の準備もないままに、初めて知る感覚が彼女の内側を大きく変えていく。ロウェルの優しさと影を持つ眼差しに、アリスの心は少しずつ惹かれていく。だが彼には、決して簡単には語れない“秘密”があった──。ある試練では、「どちらかが真実の薬を飲み、同じ空間で過ごす」という心理戦が待ち受ける。その緊張の中で、抑えきれない感情が二人を飲み込み、彼女はかつてない体験をすることに──。幾多の試練を越え、ようやく辿り着いた女王の城。しかし、アリスを待っていたのは“ご褒美”とは程遠い裁きだった。「有罪」と告げられたその瞬間、物語は新たな局面を迎える。閉ざされた空間、終わらない快感、壊れそうになる意識。夢の国は、彼女に何を与え、何を奪うのか。アリスは現実の世界へ帰るのか？それとも、この歪んだ夢の中で、快楽という名の深淵に溺れてしまうのか──。