
麻生先生に絶対依存しない(九研)ネタバレ・あらすじ・感想
凍りつくように身体が動かなくなる不思議な病を負った青年・イオは、東京の先端医療研究機関で医師・麻生と出会う。彼に提示された治療法は、常識を覆す“快感による心身の回復”というものだった。恐怖と戸惑いに揺れながらも、麻生の誠実で優しい触れ方に少しずつ安らぎを覚えていくイオ。やがて閉ざされた心と硬直した身体は、彼の献身的な関わりによって溶かされていく。しかし、温もりに依存してしまう自分が怖いイオと、患者として守りながらも抑えきれない欲望を抱く麻生。互いの弱さと矛盾が交錯し、二人の関係は危うくも深く絡み合っていく。舞台はエネルギー資源が尽きかけ、日常すら脆くなった近未来のディストピア社会。傷ついた二人が寄り添い、恋と執着の狭間で生きようとする切なく濃密な物語。