深潭駅(行けたら行く) 深潭駅(行けたら行く)ネタバレ・あらすじ・感想
「その駅の名を、あなたはまだ知らない。」帰り道、通い慣れた放課後の電車。うとうととまどろむ光田菜々が、ふと目を覚ますとそこは「深潭(しんたん)駅」と名のついた見知らぬ場所だった。静まり返ったプラットフォームに、聞こえてくるのは風の音だけ。不安に駆られ立ち尽くす菜々の前に、やがて優しげな駅員が現れる。「ご気分、悪くありませんか?」安心しかけたその瞬間、「あたたかいお茶でもどうぞ」と差し出された湯気立つカップ。だが、手を伸ばしたそのとき。「それは飲んではいけない!」鋭い声とともに、菜々の手を掴んだのは、まるで過去から抜け出してきたかのような、旧軍服姿の青年・田淵清太だった。彼が語るところによれば、この駅は“こちら側”ではない世界。そして、この場所に存在するものを口にすれば、やがて人は人でなくなるという。見知らぬ時代から来たという清太と、令和に生きる菜々。交わるはずのなかったふたりが「元の世界へ還る方法」を模索し始める中で、明らかになる駅の秘密、交錯する記憶、そして“戻る”ことの意味帰れなくなる前に、選ばなければならない。信じるものを。一緒に歩く人を。