孕ませ屋(なかじまゆか) 孕ませ屋(なかじまゆか)ネタバレ・あらすじ・感想
平凡な日々を過ごしていたサラリーマン・寺田暁斗には、ひとつだけ常人離れした秘密があった――それは、擦り傷も打撲も、まるで嘘のような速さで回復してしまう異様な「身体の修復力」。その異常さに気づいたのは、すでに亡き祖父。彼は遺伝子研究の専門家で、寺田の血液や精液、細胞組織をひそかに分析していた。そして導き出された驚愕の事実――彼のDNAには、女性の妊孕性(にんようせい)を極端に高める未知の因子が潜んでいたのだ。「関係を持てば、必ずと言っていいほど相手を妊娠させてしまう」――そんな"宿命"を知った寺田は、恋愛にもセックスにも恐怖を感じ、女性との距離を置くようになった。だがある日、彼のもとに突如として届く一通の奇妙な連絡。発信元は、匿名性を保ったまま生殖補助を行う“非公式”の精子提供組織だった。依頼内容は、あまりに非常識だった――「提供条件:30歳未満の女性限定。方法:性交渉による直接提供のみ。」言葉を失う寺田。しかし、そこには祖父の残したデータが流出した痕跡があり、何者かが彼の“特異遺伝子”を求めて動いていることが明らかになる。最初は断るつもりだった。けれど、どこかで自分の存在意義を問い始めていた寺田は、半ば諦めにも似た感情で一件目の依頼を引き受けてしまう――。そして数日後、本当に女性依頼者が現れた瞬間から、彼の人生は大きく軌道を外れていく。