メイデン・春～元騎士の狩人と元娼婦の話～(イゲドアハ)

『メイデン・春　～かつて騎士、いま狩人。そして、都を捨てた女～』「人の心は、時に霧より深く、雪より静かに隠れている」都会の喧騒から姿を消した一人の女。その名はヘレナ。華やかで過酷な娼館の日々を経て、ようやく手に入れたのは、山奥の小さな小屋と静寂、そして寡黙な男??元騎士の狩人・ロマンとの奇妙な同居生活だった。二人は言葉少なに冬を越え、束の間の平穏を味わっていた。だが春が訪れ、雪が溶け始めた頃、ロマンは意外な言葉を口にする。「都へ、共に戻ってほしい」理由も告げず、真意も見せず。その提案に揺れるヘレナの胸に去来するのは、過去の傷か、それとも新たな覚悟か。シリーズ前作『メイデン』で描かれたあの出会いの先にある、最後の物語これは、罪と赦し、そして「心の在り処」を巡る旅の終着点。本作は『メイデン』の続編・完結編となります。前作をご覧いただくことで、より深く登場人物たちの想いに触れることができます。