俺をいじめたお前に「制裁」を加える話(西沢ぼん/こたつねこ) 俺をいじめたお前に「制裁」を加える話(西沢ぼん/こたつねこ)ネタバレ・あらすじ・感想
かつて、勇気を振り絞って差し出した想いは、たった一言で踏みにじられた。中学時代、大祐は同級生・風雅に本気の告白をする。しかし返ってきたのは「キモい」という拒絶の言葉。さらにその出来事は周囲に広まり、彼は望まぬ形で噂の中心に立たされる。偏見と悪意にさらされ、教室に居場所を失った大祐は、やがて学校から足が遠のいていった。人との関わりを断ち、彼が選んだのは“声”だけでつながる世界。ゲーム配信者として活動しながら、顔も過去も隠し、静かに生活を築いていく。そこでの彼は、誰にも傷つけられない存在だった。――そして迎えた成人式の日。懐かしい地元。ふと立ち寄ったコンビニで、最も会いたくなかった相手と再会する。風雅はかつての面影を残しながらも、荒れた雰囲気をまとった別人のような姿になっていた。軽い調子で蒸し返される過去。あの日の告白を“ネタ”のように扱われ、大祐の中に封じ込めていた怒りが一気に噴き出す。立ち去ろうとした瞬間、腕を掴まれ――その拍子に、彼が身につけていた高級時計が地面に落ち、無惨に壊れてしまう。当然、弁償を求める大祐。だが風雅にそんな余裕はない。追い詰められた彼が口にしたのは、投げやりにも聞こえる一言。「……なんでもするから」加害者と被害者。拒絶した側と、傷を抱え続けた側。立場が逆転した再会は、清算か、復讐か、それとも――。過去に縛られた二人が、成人という節目で再び向き合う物語。壊れたのは時計だけなのか。それとも、止まったままだった時間そのものなのか。