僕の咲殻を抱いてーもしも幼馴染の男の子が王子様なんかじゃなかったらー(りふる) 僕の咲殻を抱いてーもしも幼馴染の男の子が王子様なんかじゃなかったらー(りふる)ネタバレ・あらすじ・感想
幼いころから同じ時間を重ねてきた、成瀬咲と天宮莉愛。家族よりも近く、恋人よりも曖昧な距離で、二人は当たり前のように隣にいた。咲にとって莉愛は、ずっと特別な存在だった。笑顔も、拗ねた顔も、弱さも強がりも、すべてを知っているのは自分だという自負がある。けれど、その想いを言葉にしてしまえば、今の関係が壊れてしまうかもしれない――。そう考えるたびに、咲は一歩を踏み出せずにいた。「莉愛のいちばん近くにいるのは俺だ」そう信じて疑わなかった。幼なじみという立場は揺るがない特別席だと思っていたから。しかし、時間は止まらない。莉愛の世界は少しずつ広がり、咲の知らない表情や、知らない人間関係が増えていく。“変わらない”と決めつけていた距離に、静かに揺らぎが生まれはじめる。これは、言えなかった想いと、守りたかった関係のあいだで揺れる少年の物語。幼なじみという安全地帯に甘えるのか、それとも本心を伝えて未来を選び取るのか。当たり前だった隣の席が、永遠ではないと気づいた瞬間――二人の関係は、静かに動き出す。