日下教授の求愛セックス演習(HECOイヌ) 日下教授の求愛セックス演習(HECOイヌ)ネタバレ・あらすじ・感想
研究棟の一番奥、薄暗い部屋に明かりを灯すと、そこにはいつも疲れを滲ませた横顔があった。日下教授――無愛想で近寄りがたいその姿に、学生たちは自然と距離を置いていた。私は北野凛。ゼミでは副幹事長として、誰よりも真面目に動いていると思われている。質問があれば研究室を訪ね、教授が薦めた書籍は一晩で読み切った。そうやって「優秀な学生」としての顔を演じてきた。けれど、私の本音を知る者はいない。哲学も思想も、心から興味があったわけじゃない。私が惹かれていたのは、日下教授その人――そして、あの書棚に囲まれた密室の空気だった。静寂の中で積み上がる本の匂い、擦れる紙の音。その場所で、理性を捨てて教授に抱かれたかった。知性の象徴みたいな研究室で、何の理屈もいらないまま、ただ欲に溺れたかった。――日下教授。どうすれば、この胸の熱を抑えられますか。答えのない問いを抱えたまま、今日も私は研究室の扉を叩く。