ドMでうるさい先輩のこと、理解ってるのは俺だけです(保田飯飯) ドMでうるさい先輩のこと、理解ってるのは俺だけです(保田飯飯)ネタバレ・あらすじ・感想
山本真美、22歳。極端なほどM気質の私は、理想の“完璧なドS”を探し求めて今日もまた男とベッドを共にする。けれど、どれも違う。求めているのは、痛みじゃなくて支配。命令じゃなくて理解。…でも、そんな理想の人にはなかなか出会えない。「それ、幻想ですよ」そう言って笑うのは大学の後輩・手塚。居酒屋で酔って愚痴をこぼす私を、呆れたような目で見つめてくる。彼は年下だけど落ち着いていて、話も合うし一緒にいて気がラクなタイプ。顔も悪くないし、多分モテる。…ただ、ひとつだけ問題がある。「ま、童貞の手塚にはわかんないよね?」そう。手塚は童貞だ。だから恋愛対象にはならない、はずだった。ところがその夜。思ったより早く酔いが回った手塚を送っていった帰り際、気づけば私は押し倒されていた。「いつも“童貞童貞”って、うるさいんですよ」「真美さんが求めてるもの、俺にはわかります」童貞のはずなのに。そんな経験、ないはずなのに。どうして…私の理想の“支配”を完璧に再現できるの?見下していたはずの後輩に、身体も心も理解(わか)らされていく。止めても止まらない快感の連鎖に、私はただ、彼の言葉を待つしかなかった――。