天国宙路(佐古とーる)

天国宙路(佐古とーる)

天国宙路(佐古とーる)ネタバレ・あらすじ・感想

かつて教師だった国久(くにひさ)は、人生に終止符を打つ覚悟を胸に秘め、宇宙旅行へ参加する。この旅を「最後」にする――その決意は、出発前のロビーで思いがけない人物と再会したことで揺らぎ始める。相手は、昔の教え子・天谷(あまがい)だった。突然の再会に言葉を失う国久とは対照的に、天谷は屈託のない笑顔でコーヒーを差し出す。しかし、その一杯には眠りへと誘う薬が仕込まれていた。意識を取り戻した国久が直面したのは、悪夢のような現実。天谷による裏切りと暴力だった。恐怖に駆られ、必死に逃げようとする国久だが、舞台はすでに地球を離れた宇宙船の内部。逃走の余地はどこにもない。絶望の只中で、突如として船体を揺るがす異変が発生する。異常を察知し共用ロビーへ向かうと、そこには国久を含めた8名の宇宙旅行参加者が集まっていた。不安と疑念が交錯する空間で、国久は悟り始める――この航海は、単なる贅沢な観光ではない。見えない意図と、逃れられない運命が、この宇宙船には仕組まれていることを。孤独、過去、そして人間の闇。星々の彼方へ向かう旅は、国久自身の人生と向き合う、予測不能な物語の幕開けだった。
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